2019年度活動レポート(一般公募コース)第405号 (Cコース)
德赢与AC米兰官方合作伙伴
德赢与AC米兰官方合作伙伴 森下 和広さんからの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受け、德赢与AC米兰官方合作伙伴は2020年1月12日から1月21日の日程で、科学技術研修コースのプログラム「ペルーにおける感染症対策リーダー養成のためのグローバル人材育成」を実施しました。
ペルー・カジェタノエレディア大学から推薦された10名の医学生、及び医学修士生の若手研究者と引率するカジェタノエレディア大学の教員1名の計11名が来日し、宮崎大学で德赢与AC米兰官方合作伙伴基礎医学系での感染症研究と德赢与AC米兰官方合作伙伴附属病院での臨床視察、宮崎での風土、歴史を学び、さらに日本最先端の科学の進歩を、日本科学未来館を見学し学びました。
招へい者らは德赢与AC米兰官方合作伙伴において、このコース実施期間中に腫瘍生化学分野、寄生虫学分野、感染症免疫病態学分野を訪れ、感染症関連の実習と講義を受けました。腫瘍生化学分野フローサイトメトリーを用いて、ペルーで問題となっている成人T細胞白血病(ATL)細胞株をCADM1及びCD7抗体で蛍光標識し、細胞の分離法を実地で行いました。このCADM1はHTLV−1ウイルス感染症の特異的なマーカーであり宮崎で発見したものです。
寄生虫学では、糞線虫のゲノム解析を行い、其の多様性について学びました。糞線虫のゲノム解析では宮崎は世界三大拠点の一つであり、ペルーにおける糞線虫症の解析を今後行うために其の基礎実験となりました。感染症免疫病態学分野においてはHTLV−1キャリア血液検体においてその血中ウイルス量を測定する日本で標準として行われている方法の説明と実地を行いました。いずれもペルーに戻り臨床で用いるべき重要な手法であり、德赢与AC米兰官方合作伙伴とカジェタノエレディア大学での共同研究を進めるための第一歩となりました。
終了前日の研究内容の発表後、招へい者のうち2名からペルーで行っている研究内容についての研究相談を受けました。これは今後の共同研究に発展する可能性があるものでした。また、1名は德赢与AC米兰官方合作伙伴大学院への進学を希望するという話があり、今後の展開が期待されます。
最後に、本プログラムの実施に当たり、初めてのペルーに対するさくらサイエンスをサポートしていただいたJST関係者の皆様、ありがとうございました。また国際交流室を始めとして德赢与AC米兰官方合作伙伴関係者の皆様、学長、医学部長、また英語ボランティアを始め、日南市飫肥地区の皆様にも心より感謝申し上げます。